閑話その十


    はっぴばーすでー・・・・のはずが



さてさて今宵は何をお話ししましょうかの


そうじゃ、奥の誕生会の話しでもすると致そうかの、いやーえらい目に遭い申した。


じつは、当日まで奥の誕生日のことは、コロッと忘れておったのでござるよ。


拙者、
一生の不覚でござる


皆に相談したところ、松前藩普請番組頭付の西東殿より、早飛脚で


南蛮渡来の
葡萄酒なるものに、自作したらべるを貼り、ぷれぜんとなさったらとのこと。


いける、まさに
ぐっどあいであじゃ


さすが苦労人
(女性に)の、西東どのならではの知恵でござるの。


らべるに書く文句は



「お誕生日おめでとう、我が最愛の妻へ。愛しておるぞ」



なぞと、歯の浮くような、ケツの穴が痒くなるような、文句に致そう。


しかし今年は時間が間に合わなかったでござる  らべるが・・・・


この手は来年に取っておこう。


早速、すーぱーに行き三百二十八文の葡萄酒を買い、閉店間際の
半額の寿司を買い求め帰宅。

「これ奥、今日はそちの誕生日であったの、ささやかじゃが

わしからのぷれぜんとじゃ」

「まあ、ほんとにささやかなぷれぜんとですこと、半額

お寿司に、
一番安い葡萄酒

しもうた、値札はずすの忘れてしもうた。

「ままっ、よいではないか、今宵はゆっくり二人で飲もう」

「そうですわね、
安い葡萄酒でもいただきましょう」

「安い安い言うでない」

「そちと二人だけで飲むのは何年ぶりかの〜 たまには良いの一緒に

飲むのも」


「あなたの禄高がもそっとお上がりになればいつでも飲めますわ」

「なんか言うことにとげがあるの〜」

「なんかおっしゃいました」

「いや何も、そうか奥も今年で三歳か〜長いつきあいじゃの〜」

「あなた私、今年で〇二歳でございます」

「えっ・・・・」

「よろしいんですのよ、一歳くらいの

 間違いは・・・ほほほほほ」


えらい間違いをしてしまった。目が三角になっておる
「いや、相済まぬ」

「よろしいと言っておるではありませんか

 しかし
安物の葡萄酒は美味しいですわね


 
半額のお寿司も・・ぐびぐび ぱくぱく」

「これそんなに飲むとわしの分が、あ〜っ寿司ネタばかり

 食べるでない」

「ご馳走様で御座りました〇三歳の誕生日


 を祝っていただきまして。

 ではお先にやすませていただきます」



はぁ〜大失態じゃ。


目の前には、ほとんどのこっていない葡萄酒と、酢飯。


奥は、目を三角にしたまま寝てしまうし・・・・・


当分は口をきいてもらえんじゃろうの〜 
半年くらいは。


拙者の予定では


プレゼント⇒奥、大感激⇒一緒に葡萄酒

⇒ほろよい いい雰囲気⇒盆暮れ以来の

     合 体・・・だったのじゃが(釣りバカ風)


上手くいかんもんじゃの、折角 西東どのに知恵を授けてもらったのに。


仕方がないので、酢飯を肴に芋焼酎を飲んでおると、段々腹が立ってき申した。


なんじゃい安物安物ばかり言いおって、いままで散々


プレゼント・・いや強制的に買わされてしまったのに」




いつぞやは、越後屋の手代がやってきて


「奥方さまがお呼びでございます」


なんじゃろうと思い行ってみると、


奥がそのぶっとい指に、指輪を無理やり挿し込み


「あなた、今年の誕生ぷれぜんと、これがよろしいですわ」


値段を見てみると、な なんと数十両・・・・・・絶句


またある年など丹後屋の手代がやってきて


「奥方さまがお呼びでございます」・・・・・・いや〜な予感


案の定、鳥肌の立ったような手提げ袋を持ち


「あなた、今年の誕生ぷれぜんと、これにしてくださいませ」


これも目の玉の飛び出るほどの値段であった



贈る者が心を込めて・・それがぷれぜんとで御座ろう?


それをなんじゃ、高価な物ばかり買い求めおって。


それもすべて事後承諾。


拙者なぞ、去年の誕生日ぷれぜんとは、
五百文のシャツ一枚、五百文でござるぞ



いつも
「金子はございません」と言っておるくせに


「金子はございません」の前に、「あなたにあげる」というのが入るので御座ろう



やめておきましょう
 男の愚痴はみっともないでござる


芋焼酎と、わさびのついた酢飯で悪酔いした様でござる





とにかく今夜は
合体不成立ということで

                 
すまぬ、小太刀くん








                      ではまた明晩







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