閑話その六

親ばかな話


さてどこまでお話ししましたかの、そうそう拙者が剣道再復活した、ところまででござったの


拙者のことはおいといて、今宵はわが愚息たちのことでもお話ししようかの


長男けい之介は
中等学問所、高等工業学問所まで剣道をつづけ高等工業学問所の


時は、なんと剣道部主将を務め(部員がたったの三名)、現在は隣藩の会社に勤め


ており申す。


あまり剣の才能があるほうではなく、いつやめるかと思っており申したが、継続は力なり



剣道二段、居合道二段までいき申した(拙者より上の段というのは気にいらないが)


現在は折り紙つきのカーキチくんでござる。早く剣道復活してもらいたいものでござる


次男ひろ之進は
、藩内の有名高等学問所(学問ではなく剣道で)に進学する


こやつは多少剣の才能があったようで、印太杯藩内予選大将として出場、みごと


優勝
し、全藩印太杯でもべすと八優秀選手賞をちょうだいいたした。


玉竜旗でもべすと八、こちらも優秀選手賞をちょうだいする


国民体育大会では大将で出場、こちらは二回戦負けでござった。


現在は、江戸近辺の大学の三年生で、剣の道を極めんと日々鍛錬に明け暮れておる


・・・・・・
らしい?


江戸学生剣道大会
は副将で出場し、三位でござった


まあ、まじめにやっておるのでござろう。



しかしこやつは人騒がせなやつで、高等学問所時代相手を救急車送りにすること二回、


親としては生きた心地がしなかったでござる。


相手の喉に五百円玉くらいのあざがくっきりとついておった。



人騒がせなやつといえば



拙者の奥ほど人騒がせなやつはおらぬ。


息子の試合のたびについてくるのだが、いざ試合が始まると手で顔をかくして目をつぶり



「どうですの、勝ちましたの負けましたの」


「まだ始まったばかりじゃ、自分で見ておればよかろうが」


「そんな怖いことできません」


「それならついてこなければよかろうが」


結局自分ではぜんぜん見ることが出来ず、大将戦にでもなろうものなら始まる前から涙目


になり、他の親まで巻き込んで大騒ぎでござった。



いつぞやは隣で目をつぶって何かぶつぶついっておる。


「?・・・・」と思って聞いていたら念仏を唱えておった


馬鹿かこやつは・・・・恥ずかしいのでそーっとその場を離れ申した


どうも相手を呪い倒すつもりだったらしい。


このときもう二度と奥とは試合を観にいかんことを心に決め申した。








                      ではまた明晩





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